今回は本店でお出ししているお茶についてお話いたします。
京都を代表する日本茶専門店として有名な一保堂の、極上ほうじ茶を使用しており、
冬には温かいお茶を、夏には冷たいお茶をと、季節に合わせてお出ししております。
やよい本店がオープンしたのは寒い日の11月。
お越し下さったお客様に少しでも温まっていただけるようにと、
女将が温かいお茶を出したのが始まりです。
その頃から、ただ単にお茶を出すのではなく、お茶碗の大きさ、色、飲み心地、
手に取って感じる温度にもこだわりを持ち、女将が考案したお茶碗でお出ししています。
そのお茶碗とは、京焼の代表となる清水焼。
女性の手でもすっぽり収まる大きさで、高台は小さな輪高台となり、
緩やかなカーブを描いて立ち上がっています。
胴から口にかけてわずかに絞り込んで反り返るいわゆるすっぽん口という形です。
京都は陶磁器が有名ですが、陶土に恵まれないため滋賀県の信楽町や、
遠く熊本天草などから仕入れることが多いようです。
やよいの代表商品「ちりめん山椒 おじゃこ」と似ていますね。
また、五条坂界隈は登り窯の公害により廃絶し、山科区の清水団地や宇治市の炭山工芸村に移転し、
大衆品から芸術性の高い陶磁器まで生産しているようです。
本店で使用しているお茶碗は、
炭山工芸村に工房を構えている、日本の伝統工芸士:村上 郁(かおる)氏により作られています。
1つ1つ手作りのため、色合いや大きさなどの風合いが異なります。
また長年使い込むことにより、陶土と釉薬の間に飲食等の色素が入り込み、
日常使いとしての味わいが出てくる事も、土ものの陶器ならではの特徴の一つです。
販売もしており、お気に入りのお茶を入れたりご飯茶碗にもお使いいただけます。
両手を添えていただくと、いつもと違うやさしい余韻が広がります。
是非本店に来られた際には奥の中庭を眺めながら、ほっこりとごゆっくりおくつろぎ下さいませ。